【 203号室であなたは何の夢を見るのか。 】
2019年にグラシアスさんが発表したノベルゲーム。
最後に選択肢があり、エンディングは2種類。
精神病院に入院中の患者二人の関係を描いたBL作品。
一瞬可愛らしさも感じる柔らかな画面の雰囲気に反し、少しツラい内容のシナリオのゲームでした。
あくまでも架空の病気を扱っている作品ですが、実際に精神病に罹患されている方には刺さってしまう表現もあるかもしれないので、そこだけ注意して記事を見て欲しいです。
*この記事は18禁です。
高校生以下の方の閲覧を禁止します。
この記事には同性愛描写(BL)を含みます。
薬で自殺未遂をして、精神科に入院をした主人公の和砂は、名色という不思議な青年と出会います。
時々しか会話の成立しないほどに、意味があるのかないのかわからないことを呟く名色。
だけど少しずつ、和砂は名色に惹かれていきます。
と、ここで間違ってほしくないのですが、このゲームは和砂×名色です。
可愛い系の攻めなので「逆かと思った!」となるかもしれませんので、気を付けてね(ゲームの購入ページに書いてあるけど)
意味があるのかないのか、そんなことばかり呟く名色。
ある日和砂は、名色が誰かに電話をかけているところに遭遇しますが、その電話の相手を知って…
そして、名色がこんなふうに壊れてしまった原因も知ることになります。
病気である、と医者に言われたときに、喜びを感じた和砂。
自分が「何もできない理由」に名前が付くと安心しますよね。
ただの怠け者じゃないのだと。
その気持ちがすごくわかります。
壊れた名色を犯しながら、和砂はどれだけの虚しさを感じていたんでしょうか…
ずっとずっと、夢を見ているかのような状態の名色。
そして帰りたくないと名色に縋りつく和砂は、少し哀れに見えました。
バッドエンドが本当にバッドエンドすぎて、本当に悲しいなあ…
こののちの名色の待遇とか考えるときつい。
一転して、トゥルーはこれでいいんだろうなと思います。
精神的な病気の治療は、どこにも居場所がない苦しみを、ずっと抱えていくものだから。
*画像はすべてグラシアス「203号室であなたは何の夢を見るのか。」より