【 還る 】
どことも知れぬくらいくらい闇の中。
先へ先へと歩き続け、家へと帰ろうとする男の物語。
10分ほどで読了。
分岐なしの短編です。
なぜこんなところにいるのかわからない。
だけど、くらいくらい闇の中に、ほんのりと光る道が見える。
この先に歩いて行けば、きっと妻と子供の待つ家に帰れるはずだ。
男は一歩一歩、のろのろと闇の先へと進んでいきます…
帰巣本能という言葉があります。
遠く離れた地に行ってしまった猫が、数年かけて自宅に戻ってくる話などもまれに聞くかと思います。
まるでそういった本能に導かれるかのように、男はゆっくりと、自分の家を目指して歩きます。
男には、様々な声が聞こえます。
中学になって縁の切れた友人。
ホステスの女。
そして老いた父。
それらの声にも耳を貸さずに歩き続けた、男の見る結末は…?
ちなみにハスキー犬は帰巣本能が薄く、迷子になったら帰ってこれないというのは、一応否定しておきます。うちの子は家出しても帰ってきたので。
…話がそれましたw思わず考え込んでしまうお話でした
(以下ネタバレ)
男は、どうしてここまで自分に都合のいい夢を見てしまったのか。
こうやって何度も何度も自宅に帰る「夢」を見ているのは、男の執念なのか、それともこれが男への罰なのでしょうか。
(ネタバレここまで)
短いゲームなので、気軽にブラウザなんかでも遊んで欲しいと思います。