2020年08月10日

【ぷよ魔導】コンパイル時代のお宝を見せながらしゃべる会・第二回★

8月6日に米光さんとうゑみぞさんの生放送第二回がありました。
途中から森田さんも乱入してにぎやかな生放送でした。
生放送のアーカイブはこちら

今回も文字起こししていますが、米光さんに完全な文字起こしじゃないほうがいいなーと指摘されたため、第一回目のときのように、ざっくりとしたまとめにしてあります。なってないけど。
人名なんかは漢字がわからないので仮で。当時の社員さんの名前、わかる方教えてください。



雑談から。米光さんはお酒を、うゑみぞさんは煙草を。焼けないでね!?

米光:最近どうでしたか?
うゑみぞ:米光さんはCSAって知ってます? コンパイル・サポート・アソシエイションだったかな?
米光:よく知らない。俺が辞めた後に活発に活動してた、ぷよ大会とかをCSAがやってた?って感じ?
うゑみぞ:設営とか運営とかの手伝いをやってくれてたユーザーの団体なんですけど、一応海外にもあって、で、いまの職場で韓国のCSAにいた子が同僚だった。今の職場、今年の3月から働き始めたんですけれども、一番最初の自己紹介の時に、まあわかりやすくコンパイル時代の話をしているんですけれども、その子がやたら食いつきよくて、詳しく聞いてみたら過去にCSAにおったっていう話。
で、こないだ、職場でオンラインの飲み会があったんですよ。そんときにまぁ、韓国からやってきたっていうのにやたらレトロなコンパイル時代のゲームを見せて来てくれて。
米光:おー、すごい。その人ゲストに呼ぼうよ次。
うゑみぞ:えー、来てくれるかなあ。
米光:来てくれんかなあ。見てないのかなこれ。
うゑみぞ:多分今、めっちゃ忙しいっすから。でも暇になれば顔出しくらいはしてくれるんちゃうかなーとは思いますけれど。
米光:ぷよぷよって韓国大会とかもやったってこと?
うゑみぞ:どうなんでしょう、よく知らないっす。でも魔導なんかはローカライズされて向こうで発売されましたから。
米光:言語も向こうの言葉になって? 知らんかったわ。えっ、喋りは? 魔導物語の。
うゑみぞ:そこまでわからないですねー。日本語のままかもしれないし。
米光:日本語っていう日本語じゃないか、魔導物語は。呪文だからね。日本語ローカルな言葉は叫んでないのか、あんまり。
(コメントを見て)
うゑみぞ:ぷよぷよの大会は韓国でもあったらしいですね。
米光:ばよえ〜んツアー韓国もあったの。韓国大会で選出された人が来日して戦ったりしたんだ。すごいなあ。あ、吹き替えされてました、って書いてあるなあ。
うゑみぞ:あー、じゃあ新しい音声を入れて。
米光:入れたのか。すごいねえ。俺全然知らないわ。
うゑみぞ:俺もその辺は初耳でした。
米光:新しい音声バージョン聞きたいな、それ。
うゑみぞ:韓国語ですからねえ。
米光:じゃあ、彼か彼女かしらないけど、持ってる? 持ってたとしてもハードが動かないか…何で出てたか知らんけど。
うゑみぞ:あの時代ですからWindows…無理かぁ、もう。Windows95とか。
米光:韓国オリジナルバージョン見たいよねえ。youtubeに動画ある?
*ニコニコ動画にあるみたいです

米光:先々週「ピラミッドパワー」っていうの遊んだら、みんな遊んだシートをツイートしてくれててありがとうございます。やってる感じがわかってすごい楽しかった。また暇な時にやりたいと思うんで、よかったら参加してみてください、皆さん。

米光:あとまとめもいろいろ作ってくれていて、新しく見つけたのがTeithaTiriwさん。まとめというか感想をあげててくれてて、そんときにリスペクト作品として挙げた『チョウたちの時間』もさっそく読んでくれてて。
その感想の中に、「時間という概念を改めて咀嚼する哲学的な小説」って書いてあるけど、まさにそういう小説で、時間とは何か、時間と空間とは何か、的なことを、難しく書こうとすればいくらでも難しく書けることを、ビジュアルで見せるみたいな。タイムロボットが、時の河を流れていくんだけど、ビジュアルで哲学的なことを描写するのがめちゃめちゃうまい、そんな感じの小説。
あと、言葉がめちゃめちゃ中二…っていうと失礼か。科学用語とか哲学用語とかをうまい具合に使ってくれるから、中二的な俺とかはそこにシビれる。タキオン粒子とかそういうのがいっぱい出てくるんですよ。
山田正紀さんっていうのは、当時も精力的に本を出していて、僕は影響を受けていたので、『チョウたちの時間』以外にも、『地球・精神分析記録』っていう小説があって、これでルビが『エルド・アナリュシス』みたいなタイトルなんだけど、これも影響受けてて。エルド・アナリュシス、って響きがもう、魔導のキャラクターみたいなんだけど。あと『神狩り』っていう神様と人間が対決するSFとか。あと『最後の敵』っていう、進化の螺旋階段を上がっていく、みたいなSFがあって。めちゃめちゃ面白いので。
うゑみぞ:あーわかった、名前聞いたことあったんですけど、俺が読んだことあったのは『機神兵団』でしたわ。
米光:機神兵団はアニメ化もしたし、ヒットしましたね。
うゑみぞ:原作はかなり違ってましたけどね。あれも第二大戦のロボットが現代にタイムスリップしましたからね。
米光:わりとキャッチ―な設定で。小説の方もいろんな仕掛けがあって面白い。いまだに新作出したりしてて、結構なお歳だと思うんだけど。
うゑみぞ:4〜5年前に真田幸村の小説出してましたよ、真田幸村が二人いたみたいな。
米光:幅も広いしね。SFから、SF的時代小説みたいな。ミステリーも書いてて。めちゃめちゃ幅広く書いてる作家さんです。
うゑみぞ:70歳ですか。
米光:すごいよね、70歳でばんばん新作出てるの。
うゑみぞ:一時期ツイッターでもいろいろ書いておられたんですけど、今は静かだなーと。

米光:あと、廃都ラーナの遺跡さんが、最初の米光うゑみぞのやつも書いてくれたし、先々週の米光一人でやって途中からうゑちゃん参加してくれた生放送のやつもまとめをかいてくれて。あれ、恐らく米光うゑみぞでやった時に、ニュアンス違うんすよ、って言ったからだと思うんだけど、慎重になって、次の放送の時はほぼ書き起こしみたいになってるから…
ぜひまとめをかいて。起こしっぽくじゃなくてまとめを。そこニュアンス違うんだよって俺に言わせて。やり取りになった方が絶対面白いから。
*承知しましたー!と書いてるけど難しいです。

Q.ゲームギア魔導は1-2-3、Aが発売されましたが、R、Sを発売する構想はあったのでしょうか? 実はうゑみぞさんやケロルさんがシナリオをゲームギア向けに書いていたとか? また、携帯機としてはぷよぷよのシリーズはゲームボーイでもシリーズ展開されていましたが、魔導は来ませんでしたね。ぷよぷよと魔導で棲み分けみたいなものがあったのでしょうか?
A.うゑみぞ:そっから先は作ろうってことにはなってなかったです。当時だともうゲームギアもゲームボーイもハード的におしまい、末期でしたから。もうプレステとか出始める頃ですからね。
米光:じゃあさすがにもう、新しく出たマシンで出した方がいいなっていう感じの時。
うゑみぞ:ですからそれでセガサターンの魔導を織田君が作るという流れになったんではないかと。
米光:あの頃は結構あったもんね、ハードの寿命と、ハードのヒットするしない問題。
うゑみぞ:そうですね、俺も入社したその日にMSXから撤退するって話を社長から聞いて。俺MSXでゲーム作りたくてこの業界入ったんですけど(笑)
米光:でもまあMSXも、成功失敗はよくわからんけど、お世話になったから成功だと思うんだけど、なかなかねー。だってぷよぷよも、1991年にMSXとファミコンディスク版で出てるんだけど、どっちもハードがもう…何出しても売れないよーみたいな。もう終わってるよ、みたいな感じだったもんね。
俺そのあとのBAROQUEも、セガサターン版から出すのですが、あれはめちゃめちゃ遅くまで作ってホテルに帰ってて寝泊まりしてた頃に、ちょっとだけでもテレビ見よってテレビつけると、あの「サターンは倒れたのか!」っていうCMをやってて、「いや俺、今そのサターンでゲーム作ってるけど、セガが「倒れたのか」とか言ってたらやる気なくすじゃーん」とか思いながら作ってました。やめてよねネガティブ広告。
なので魔導とぷよの棲み分けっていうより、出しても売れんだろうっていうタイミングだよね。
うゑみぞ:ぷよぷよもSUNを作り始めていた時期ですし。自分の次の仕事はスーパーファミコンでなぞぷよを作ってましたけどね、スーパーファミコンももう時期的に下り坂なのかな?って時期でしたから。
米光:はい、というわけで出る予定はなかったそうです。

Q.ゲームクリエイターの発想をほかの業務に転用するコツをぜひ。
A.米光:そんなことを言われても感。まぁゲームクリエイターの発想はゲーム作るのに使った方がいいよね。
うゑみぞ:そうですよね、俺も別の仕事をしたこともありますけど、全然役に立ちませんでしたからね。
米光:ゲームクリエイターだからちょっとこの辺はうまくいったとかないの? ゲーミフィケーションでうまく仕事が。
うゑみぞ:リアル土方でしたからね。
米光:たくさん穴掘ったらバッジもらえるとか。ゲーム化してみんなが働くとかないの?
うゑみぞ:えー、広島の駅前大橋ですよ、現場。
米光:駅前大橋に関わってるの?
あ、ゲームクリエイターの発想をほかの業務に転用するいい方法がちゃんとまとまってる本が。「仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本」米光一成著! これに全部書いてあります! …もう売ってないかもしれない。もう結構前の本で2007年の本だから。
でも真面目にこれ、ゲームの仕事やって、それこそ会社入ったときは、1プロジェクト実質3人とかで始めて、うゑちゃん入ったころは1プロジェクトもう少し多いくらいになって、最終的には結局、トレジャーハンターGとかBAROQUEとか、プロジェクトに100人とか200人とか言うような、そのプロジェクトそのものが巨大化するようなのを、時間をかけて体験できたから、プロジェクトをどう回していくかをゲームの現場ではよく分かったというか、苦労してノウハウもたまったから、それをほかの業種にも使えるように書いてる。ほとんど実例がゲームの話なんだよ。でも一応、ほかの社会人向けにも使えるよ、って感じで書いた。ゲーム好きな人は面白いと思います。

Q.今の技術力を駆使してリメイクしたいコンパイル作品はありますか?
A.米光:なんかありますか? 今の技術で。なんかリメイクしたいのとかある?
うゑみぞ:リメイクじゃないですけど、D4Eさん(ProjectEggの配信元)がコンパイルの版権を持っていて、わりと20代のころに作ったやつをバンバン復刻してくれちゃってるんで、今でも世に出回ってるから、わざわざ作り直さんでもええかなーという思いはありますけど。
米光:そうね、今遊べるんだもんね、昔作ったやつが。あれはエミュレーターで動くんだったっけ?
うゑみぞ:そうですね。
米光:今の全技術を使ってリメイクは面倒くさいからしたくないけれど、ちょっと手直ししたのにしてほしいよね。なんか、遅かったりするじゃん。今の感覚でやると。昔はそのスピードでしかゲームなかったから、メッセージがなんか出るの遅かったりとか、間があったとしても、頑張って作ってたらその間があるみたいな感じだったけど、今やると、やっぱり「レトロゲームをやってるぜ」って感じじゃないと待たせたりする感覚があるから、そこをうまいエミュレーターで出来んものかのうと、遊んでる人の動画を見て思ったりします。
あ、コンパイルっちゃコンパイルだけど、サナトリウムオブロマンスは今の技術でリメイクしたい。
*もものきはうす(コンパイルの覆面ブランド。アダルトゲームを出していた)のゲームです。
実写ね。今あるじゃん、実写で選択肢で。
うゑみぞ:「街」みたいなやつですか。
米光:今も新しく出てたりするんだよ。ネットフリックスとかで。全部実写の映画みたいな感じなんだけど、途中で選べる。switchとかでも。「街」は写真だったけれど、それの動画版みたいな。どちらかというとドラマにそこそこ分岐がついている感じの。

*ここでモケさん(森田さん)乱入。

森田:もものきはうすの方から来ました。サナトリウムオブロマンスの話が出たからいいタイミングだと思って。
米光:森田君です。コンパイル・もものきはうす所属の。
うゑみぞ:もっと通りのいいやつがあるでしょ。
米光:代表作って何を挙げてるの?
森田:俺のは、もものきはうすでいうと…
米光:もものきはうすで言うんだw
森田:コンパイルに入社試験を受けて、「じゃああなたはもものきはうすですよ」って言われたから、というところです。1年くらいは、もものきはうす専属だったんです。
米光:一応、知らない人がいるかもしれないから説明しておくと、コンパイルがちょっとエッチなゲームを出すときに、同じ名前だとあんまりよくないので「もものきはうす」というブランド名でこっそり出していたと。
なので、新人は、まずもものきはうすで修行して、そのあとコンパイル作品を、みたいな、徐々にこう適材適所な。もちろんずっともものきはうすでやりたいって人はもものきはうすでやるんだけど。
サナトリウムオブロマンスっていうのも、俺は全然新人じゃなかったんだけど、「やるやるー」って。エロなゲームってエッチだったらほかはどうやってもいいんでしょ、ってやりたい放題のものを作って、営業から怒られるっていうことを繰り返して…
森田:でもスタッフの中ではものすごい評判よかったです。
米光:サナトリウムオブロマンス、元祖・泣きゲーだよね。当時営業の人に「こんな暗い話、誰もやりませんよ!」って怒られたんだけどね。その後のちょっと暗い・悲しいエロゲーがいっぱいヒットするよみたいな…いかに、営業の人がダメだったか
森田:だから、いいタイミングだから(ZOOMに)入ったら、実写でやりたいっていうから…
米光:グラフィックいらないから
森田:俺が必要ないじゃん!っていう。
米光:あんときはグラフィックも結構よかったもんね。
森田:あれは中島さんのグラフィックがベースで、それを、自分とか児玉大合体(?)とかが…
米光:いわゆる、原画を描いて。スキャンとかはする時代だっけ?
森田:もうスキャンですね。スキャンしてた。でもMSXって高解像度モードが1:2なんですよね。だから1:1ドットにすると、1ドットがでかいんですよ。だから、高詳細モードにすると、1ドットを半分こして
米光:長細いように
森田:そう、なるから、その2個のラインを出すのがすごい難しかったのが、MSX2の時代の
米光:難しいね
森田:でもそれでもやっぱ綺麗でしたよ。で、話もよかったから、一番モチベーションが高かった仕事。
そのあとに、米光さんともう一回やろうってことで、「チンと手と」をやったじゃないですか。
うゑみぞ:(笑)
森田:「天と地と(映画」が公開されたじゃないですか。それでタイトルだけものすごい天と地と感を出して、もぐらたたきっていうゲーム。
米光:チンが出てくるのを手で叩くっていう。クリアすると、ちょっとエッチな絵が出てきて。で、エッチな絵が出た後に、「チンと手と2」って、どーんって。で、4くらいまであるんだよ、確か。
森田:もう出オチの。
米光:でもちゃんと「天と地と」見に行ったもんね。一緒に行ったもんね、確か。
森田:あとスーパーマリオも三人で見に行ったじゃないですか。
米光:行ったね、実写版スーパーマリオ。
森田:俺と米光さんはものすごいがっかりして出てきたのに、もう一人行ったプログラマーのみつき君が一人「面白かったー!」って
米光:みつきくんは割となんでもポジティブに。プログラマーってなんでも「できません!」ってすぐ言う人が多いんだけど、みつき君は割となんでも「できます!頑張ります!」ってすごくポジティブで、いいやつだなーって思ってたけど、あのマリオの実写版見て「面白かったー!」ってはしゃいでるのを見て、あ、いいやつじゃなくてバカなだけかもってちょっと… いや全然いいやつなんだけど。バカでもなく。プログラムばりばり出来るからバカなわけないんですけど。
森田:一番最初のぷよぷよはみつき君?
米光:そうです。最初のぷよはみつきがプログラムで、みつき君じゃなかったら出来てないね、あれね。あれめちゃめちゃ作り直して、企画書も何もなくて、俺が「ちょっとこうしてみようよ」っていうのを、すぐみつき君が作って、シンプルな構造だから、翌々日とかに言ったのをやっていてくれて、「面白くないねー」っていうの二人で言って、また作ってっていうのを面白くなるまでやってた、っていうプロジェクトだから、ほかの人だったら、怒って辞めてると思うわ。「面白くないじゃないですかー!」っていうのを言われてると思う。

*ここで森田さんがこの場にいることについて
森田:ゲストに呼んでもらったのはうれしいんですけど、最初は外山先生とか、氷樹先生とかを読んでもらった方が喜ばれるんじゃないかとは思いましたけどね。氷樹先生が顔出しで来るかっていうと出ないと思うけど。そもそもZOOMをやるかっていうとやりたがらないと思うけど。

米光:ぷよぷよも当時はテストプレイヤーとかいなかったから、社員にテストプレイしてもらっていた中で、森田君一番上手くなるという。で、俺が「ぷよぷよ成功するぜ!」って思った瞬間は、森田君がテストプレイしてて、「そろそろ終電だから帰った方がいいよー」ってゆったら「いや!僕まだテストプレイします!」って仕事熱心アピール風にお前言うけどそれ遊んでるだけだろみたいな。ってときに「これはいけるんじゃね?」って。
森田:本当面白かった。今でも面白かった記憶がありますね、やっぱり。
米光:やっぱりテストプレイしてもらって意見もいろいろってもらって作って。そのあと、俺辞めた後はがっつり関わってる?
森田:うん。
米光:どういうかかわり方なの? 俺辞めてるから詳しくは知らないんだけど。
森田:ぷよ1のときに、営業とかで電波新聞社とかで盛り上がりがあって、ファミコンとかのやつを推してくれたんですよね。あれを見て、メガドラみたいな流れになった記憶があるんですけど。
米光:いやMSX版とファミコンディスク版を出したときに、ゲームギア版は作ろうという話はしてたのよ。当時大阪にいた谷口君というプログラマーが、このゲームはおもろいけど、MSX版とファミコンディスク版はそんなに売れないだろうと。ハードがもう沈没しているやつだから。でも面白いから、このゲームはゲームギア版は出そうと。あとちょっとやり残したことはあったから、コンピューター対戦とかハード的にも時間的にもできなかったりとか、それを含めてゲームギア版をやろうみたいな話はあったけど、俺が辞めたこと、ほかの要因もあって、その話はもうなくなって。
森田:で、話を戻しますけれども、そういう電波新聞社とのつながりもあって、理解度が一番高いのが自分だったわけですね。1の時も、取説とかの文章とかはほぼ俺が作った。で、そういうのを多分上の人が見てくれてて、ではぷよを2を作ろうという時に、ぷよ1、アーケードとメガドラ版とで物足りないというか、もう少し付け足したらもっと良くなるんじゃないかっていうことを考えて、紙ぺら一枚の企画書を出したというのがぷよ通のルールになって。
米光:そのときプログラマーって吉中君?
森田:まだ吉中だったような。たぶんスーファミ系が広野さんで… まだ吉中だった気がするんですけど、もしかするともう広野さんが入ってきてたかもしれない。
で、そのルールでぷよ通を作ったんですけど、っていうところがあの当時の流れです。
米光:なんとなく、吉中君と、森田君と、MATSさんが組んで作ってたなーって、辞めてるから直接は知らないけど、遠巻きに。

米光:もものきはうすは、もものきはうすスペシャル会でやろうや。
森田:吉中も呼べるしね。
*大丈夫? youtubeBANされない?

米光:電波新聞社、ベーマガね。ファミコン版MSX版出して、ファミ通の点が6とか5とかなんだよね。でもベーマガでは大絶賛してくれて、向こうはちゃんと対戦をやってくれてて、対戦が電波新聞社内で盛り上がってる感じが伝わってくるくらいほめてくれてて、ファミ通は対戦まではやらないんだな…みたいな。30分でやめてんなみたいな。まぁ当時はたくさんゲームソフト出てたからできなかったんだろうけど、レビュー書く、点付けるくらいならもうちょっとやれよとか思ってた。
でもそのあと、森田率いるぷよぷよ軍団が。
森田:率いたのはどっちかっていうとMATSさんとかが。
米光:役職的には森田君は何になるの?
森田:席的にはデザイナーなんだけども、やってることは企画的なことで。グラフィックは、当然それまでやってたら手も回らないし、そもそもコンパイル当時の自分のデザイン力ってかなり低いと思ってたから、例えばあの当時人気のあるデザイナーさんもう何人もいたじゃないですか、で、その中に書いてもらってって感じで。ぷよぷよ1の時よりは当然スタッフの数も多くなってますよね、当然。会社から見ても、このプロジェクトは金をかけてもいけるっていう。人数はかなり多かったので、ひとりひとり思い出せって言われたらちょっと。っていう状態です。
米光:まあ半分ディレクション的な。でMATSさんがチーフディレクターみたいな。
森田:ゲーム部分のディレクションみたいな。
米光:通で割と完成した感あるもんね。相殺とかね。
森田:そう。だからSUNの話が出たときに…(聞き取れず)
米光:でもそれはちょっとわかるわ、通はこのスタイルで完成して、しかもシンプルなゲームだから、そっからプラスすると…それも面白く多少はできるけれど、トッピングしたなー感出るもんね。
森田:自分で作ってSUNやって、完成形と思って作ったものを壊すのが嫌っていう。今考えるとずるいと思うところもあったんですよ、MATSさんとかにプランニングをゆだねてしまった(?)から、MATSさんが相当苦労したはずなんですよね。
米光:ずるくないってことにして。そうしないと俺、放り出して辞めたやつもっとずるいからさ。ちゃんと完成させて、若い人に譲った、って話にしようや。
森田:そうしたほうがかっこいい。おさまりがいい。
SUNに関してはほぼノータッチで、ちょっとだけお手伝いしたくらいで。だから、自分もぷよで言えば、1の時にお手伝いでサポート入って、営業的なことをして、ぷよ通でがっつりやって、終わって作り上げた気になって、SUNの時はフェードアウトした、みたいな感じですね。
米光:でもそれは森田君が自分でやらなくてよかったかもね。SUNはSUNでいい出来じゃん。でも通を作った人がやったらやっぱりやりにくかった感じするわ。
森田:そうですね。ただ、SUNを作る最中に、別のアイディアは浮かんだんですよ。こうすりゃよかった!って。もうプロジェクト動いてるからどうしようもないんですけど、こっちのアイディアだったらもしかしたら面白いの… ただ、ぷよを4つつなげるとかは守って、大きくチェンジするアイディアもあった。
米光:ただどうしてもリスクは大きくなる。でもそれはそれで面白そうだよね。
森田:その中に、それをもとにして、プログラムに、たっくんというプログラマーがいたんですね。たっくんもちょうどそのころ自分の家の近所に住んでたんですよ。で、こんなアイディアのゲームがあるんだけど、ちょっとPC-98でつくってみない?って。たっくん早いから、割と早めにそのプロトタイプが上がったんですよ。
米光:じゃあもう会社と全然関係なく
森田:関係ない。で、たっくんが出来ましたよーって上げてから、三時間くらい二人でずーっと98のモニタの前で遊んでたから、多分面白かったと思う。
米光:それはどうなったの?
森田:たっくんが引っ越してね、プロジェクトが(?)終わった。
米光:それもう残ってないのかな? それも遊ぼうよ。
森田:そもそもそのあと、たっくんとコンパイルのつながりが希薄になって、たっくんに連絡取れない時期が続いてるんですよ。それから連絡取れないから、あのゲームどうなったんだろうな、って時々…
米光:それちょっとプレイ大会して供養しようや。でも98を… たっくんなら持ってる。
森田:持ってるかもしれないけれども。
米光:今は連絡取れてるの?
森田:いやいや全く。
うゑみぞ:一時期長崎の方に帰ったって話は聞きましたけれどもね。今どうしてんだか。
森田:うゑちゃんもそういうコンパイルメンバーどこにいるか名簿みたいなの把握してそうだよね。
うゑみぞ:いや、例のコンパイルナイトがあったじゃないですか、あの時に連絡つきそうな人に声かけたっちゅーくらいで。そんな多くはないですけれどね。
森田:そんときたっくんと連絡取れた?
うゑみぞ:いや、つかなかったですね。
森田:なんかコンパイルって、希薄だよね… うゑちゃんとは、俺が東京出てきたときに、新宿で会ってるんですよ。借りたままの本を返さなきゃってことで。そのあと俺が別の会社に在籍しているときにゲストを呼ぶってことでうゑちゃんとはもう一度会ったんですけど。米光さんとはほんとに…この前の米光うゑみぞをひそかに見てて、で、ちょっとリアクションをしたら、米光さんから返ってきて、で、このまえ一回話したっきり、もう15年ぶりだから。
米光:でも希薄だけど、会社辞めた後に元の会社の人とそんなに会うのかな。
森田:コンパイルは結構会います。里帰りしたときとか。
米光:でも俺も広島に里帰りしたときに、別に連絡してないもん。戻ったよーって。で、たまたま里帰りしたときに、駅前でみつきと会う。偶然会う。で、そっから飲みに行って、じゃあ誰それ呼ぼうみたいな感じはあったりするけど。

米光:今「個人的にはぷよ通が最高傑作というのは納得がいかない」というコメントも。何が最高傑作なんだろうぷよぷよは。〇〇さん(コメ主)さん的には何が最高傑作なんだろうな、それを言ってもらわないと。
森田:ルール的にですけど、ルールで言えば通が一番ちゃんとして…ちゃんとしてというのも語弊がありますね。ようするに1の時って、5連鎖をいかに早く作れるかで勝負が決まってたんです。
米光:それはねえ、そんなにたくさん連鎖作ると思ってないんだよ、あの時。
森田:だからそこで終わらせないようにするには、どうしたらいいかっていうのが通。はっきり言えばプレイヤー視点ですよね、どういう風にやったらゲームが長く続くかってことで相殺が生まれて、そのあとに今度は多く作るんだったらNEXTぷよが1つじゃ困ると。2つくらい先が見えてないと、ここをこう置いてこう置いてっていうのに、ランダム性が高すぎて、だから2つ見えてないと困る、と。で、さらに、6列のうち5列両端が埋まって、せっかく来たのに逆にならないと起爆しない、それは困る、ということで、二回押したらひゅっと(*クイックターン)。だから自分が困ることを、1個1個解消していくっていう方法論でやっただけっていう。
米光:だけどそれは正しい。ある種ぷよぷよ大会みたいなのを成立させるというか、正当なバトルを、あのぷよの原理的なルールからなるべく変えずに、対戦するときに白熱する仕組みにしているという意味での、完成度が高い。どれがベストっていうことではないけど。
でもぷよって、ぷよ元祖とぷよ通とぷよSUNと、後何があるんだ?
森田:ぷよぷよ〜んがあります。ぷよぷよ〜んは全く知らないです。うゑちゃんそこらへんは?
うゑみぞ:やー、俺も辞めとったんでそのころ。
米光:(笑)誰も知らないっていう。そのあともちゃんとセガさんが面白いの出してるんだよね。俺も何かをやってるもん。企画で呼ばれて。プレイして。
「個人的に傑作のぷよぷよはないですね」って〇〇さんからの。まさかのリアクション。含みが多くて、もう少しコメントを…
森田:実はテトリス派とかパネポン派とかそういう人たちなのかもしれない。
米光:もしくはもっとこうすればいいとか。「違いますよ今のぷよぷよ通は違いますよ」
森田:「ここをもっとこうすればいい」とか
米光:究極のぷよぷよができる。

森田:話がぷよぷよに寄り過ぎてしまった感じですけど。でも俺が語れるのって基本的にぷよ。コンパイルに関して言えばほぼぷよだけなので。
米光:そうなんだ。でも他もあるでしょ?
森田:ありますよ。なぞぷよとかの問題をずーっと作り続けてたりとか。あとシャドウランをずーっと作り続けていたりとか。あれも難産プロジェクトだったので。
米光:難産プロジェクトが増えつつあるときだもんね。ぷよとかはプロジェクトの期間が短かったけど、それがどんどんこう伸びていって、なかなか完成しないみたいな、延期延期が多い時期だもんな。
森田:だからみんなが聞きたい話はぷよだけなので。
米光:いやいやそんなことないです。シャドウラン大会にしようや。
森田:こういっちゃなんですけどね、シャドウランはあの当時、自分が作ったシャドウランよりも、スーパーファミコン版のシャドウランの方が、完成度数倍高かったですからね、
米光:でも画期的な新しいタイプの世界観とシステムで
森田:うゑちゃんはどこまでシャドウランにかかわっていた? うゑちゃんがどこまでやってたかっていうのは、こっちのデザイナーはもう絵を描くことに集中しなくちゃいけなくて、プランニングがどこまでやったかっていうのをいまだに知らないんですよ。
うゑみぞ:俺は企画自体はほぼほぼ関わってなくて、シナリオ書くから内容をちょこっと覚えといてねーって話で。元のシナリオはあれはSNEが書いて。なかなか上がってこないじゃない? しょうがないから俺の方でも書いて、シナリオ穴埋めしたっていう感じで。
森田:じゃあ一緒に神戸に行ったのは、俺と△△さんともう一人行ったような記憶があるんだけど
うゑみぞ:一緒に行った。
森田:行ったよね。
(当時のSNEの担当の方や、SNEにいた、米光さんの同級生の村川さんという方の話になる)
米光:俺、のちにSNEに行く村川君にD&Dを教わるんですよ。D&Dの日本語版がまだ出てないときに、「面白いゲームがあるんだよ」って来て、やろうよって開いたら英語だから、英語わからんてーって。そしたら「僕がマスターするから大丈夫」って言って。颯爽とマスターやってくれて、4人くらいで徹夜して遊んだのが、初めてテーブルトークをやった時。
森田:米光さんはテーブルトーク、コンパイルではやらなかったですよね。
米光:コンパイルのメンバーとってこと? やってないと思う。その村川君とくらいしかやってないかな。
森田:うゑちゃんとは、XXさんとか、村長さわとか、□□とか、あそこらへんは、わりとがっつりソードワールドやってました。

米光:あ、○○さん(コメント)から。「ぷよ通は会話シーンを削られたのが悲しくって」
森田:あれは入らなかったのかな普通に。それとも会話シーンを書ける人がいなかったのかな? どっちかだと思います。
米光:書けるだろあれは。わかんないけど。

(コメントから)
米光:「ザナックは関わってらっしゃらないのですか?」 ザナックはね、この辺にいる人はみんなかかわってないです。
森田:もっと前の世代。
米光:俺が入ったころ、すでにザナックはもう出てるから。ザナックは広野さんと、寺本さんとかっていう、コンパイル第一世代で、パソコンショップの二階に会社があったころ。すごい元祖の世代が作ったゲームで、そのあとに俺とか寺野さんが入って、森田君やうゑちゃんが入ってくるっていう流れなので。ザナックは我々はノータッチ。
森田:あ、でも、電忍アレスタは俺、関わりました。
米光:ザナックっていうシューティングがあって、それは天才プログラマーの広野さんとかが作っていて、ザナックはポニーキャニオンから出てるので、ザナックっていうタイトルは使えないから、またすごいシューティングを出そうっていうんで、アレスタとかを出して、そのアレスタとかの系列作品として、電忍アレスタっていうのが。外山さんとか。
森田:外山さんは、まったく関わってないわけじゃないけれど、外山さんの流れではなくて、ケロルさんとかあそこらへんが主体になって、デザイナーで言えば俺と大西くんとか、ようこちゃん(?)とか。あそこら辺の世代と一緒になって作ったのが、電忍アレスタです。
でもやっぱり外山さんとかの独壇場みたいな感じですよね、広野さん系統と、外山さん系統みたいな。
米光:外山さんもザナックとか見て、すごいの作る会社がある、っていう感じもあったらしいからね、コンパイルに来るの。あの辺のシューティングとか作らせれば天下一品ですが、外山さんも。
(コメントを見て)電忍は、TAKINさん。
森田:あっ、たっくんがプログラムか。プログラマーがすごかったから、すごいゲームになるわけではない。
米光:いやいやすごいゲームですよ。俺あんまりやってないからわかんないけど。
森田:なんかが足りなかったんですよ。

米光:あとコメントで、「森田さんのお宝も見せてください」って。また次回。
重大発表がありまーす。米光とうゑみぞと森田がコンパイル時代のお宝を見せながらしゃべる会、第三回やりまーす。
森田君のコンパイル時代のお宝はその時に見せてもらいながらいろいろ聞くと。
うゑみぞ:やったー!
米光:なんかあるでしょ
森田:今東京じゃないですか、10年以上東京なんですよ。当然、自分の膨大なアーカイブは、広島の実家に残してるんですよ。
米光:実家帰れよー
森田:今帰れないでしょそもそも(*コロナ禍です!)帰れないからこういう形(ZOOM)になってるのに。で、多分もものきはうすのは何個かあるんですよ。そもそもあの頃のエロい絵って今見たらそんなにエロくないからね。今のエロさってすごいじゃないですか。レベルが高いじゃないですか。
米光:(当時の絵について)そうね、動きもしないしね。ドット絵だしね。
森田:たぶん原画もね、あるんですよ。親が見つけて処分してなければ。うち本が多い夫婦なので、自分のものをあんまり持ち込めなくて、コンパイル系の思い出とかは全部実家に。本当仕事で使える系の書籍があるくらい。
だからネットから探して…
米光:なんで内部の人が配信してるのにネットから探してくるんだよ(笑)
森田:だってないんですもん。今手元にあるのってこれくらいですよ(オールアバウトぷよぷよ、ぷよぷよ通を出して) だってこれお宝じゃないじゃないですか。
米光:まぁね、持ってる人も多かろうよ。じゃあもう、実家に電話して、押し入れのひだりっかわにエロい絵がいっぱいあるから送ってーってお母さんに送ってもらえば
森田:それだったら記憶をたどって今描いた方が。
米光:はい、じゃあなんか見つけといてください。
日程もまた調整して後日、ツイートとかなどで告知するのでまたよろしければ見てやってください。

米光:では何か告知とかあれば。
森田:ないです。
米光:じゃあ僕は「はぁっていうゲーム」を皆さん遊んでください。今大人気の、遊んでないと恥ずかしい「はぁっていうゲーム」、ご購入の上遊んでください。

*おつかれさまでした!

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posted by ry at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 攻略/データ
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