【 水鏡 】
同氏の百合ノベルには「ワンコイン」などがありますが、この作品もワンコインと同じく、月が大きくイメージとして残る作品です。
選択肢のないノベルゲームで、クリアまでは5〜10分程度の短い作品です。
こちらから無料プレイ可能です(ノベルゲームコレクションへ飛びます)
スマホを含むブラウザのほか、Windows/MacintoshでDLプレイも可能です。
「私」は、絵に描いたような「良い血統」の娘。
幼いころから夫になるものが決まっていた…。
…醜い、猿のような顔の男。
子供は日に当たると健康になる、なんて思いこまれていた時代。
夏に、ペンションへと預けられた私は、かわいらしい「リス」なんてあだ名を私につけてくれた、ペンションの娘・ミドリへと、特別な感情を抱くが…
「私」の夫になる人は年上の、猿のような男だった。
いつも揮発油のにおいを漂わせる不快な男…。当然そんな人間に好意的な感情など持つこともなく。
幼いころから、そんな希望の見いだせない人生に、逆にその絶望的な未来に安堵を覚えていた「私」。
だけど知ってしまった、特別な感情。
そして二人の別れの直前に、ミドリが見せてくれたのは、水面という鏡に映る月でした…
ところが、ミドリとはそこで本当のお別れになってしまいます。
老いた「私」が見るのは、あの日と同じ、水鏡に映る月でした。
とっくに車椅子がないと動けなくなった私は、お椀に入れた水のその水面に、あの日と同じ月を見ますが…
苦しみと、そして死と、だけど苦しみを取り去る優しさと。
…一見悲恋だけど、私はハッピーエンドだと思いました。
恋愛に思い悩み、死んでいく、だけどその死は「人を好きという気持ちを持った人生であった」と固定される瞬間でもあります。
悩みつつも幸せの中で死んだら、それは幸せなのではないでしょうか?
はたして死は不幸であるかと問われたら、私はNOと答えるでしょう。
短時間でプレイできるので是非。
こちらから無料プレイ可能です(ノベルゲームコレクションへ飛びます)
スマホを含むブラウザのほか、Windows/MacintoshでDLプレイも可能です。