【 SECRET GARDEN 】
庭園の東屋で、会話を交わさず、見知らぬ人間同士が同じ空気の中で過ごす、そんなお話。
凄く静的で、穏やかで、ただただ落ち着いた物語です。
分岐のないノベルゲームで、プレイ時間は30分ほど。
こちらから無料プレイ可能です(ノベルゲームコレクションへ飛びます)
スマホを含むブラウザのほか、Windows/MacintoshでDLプレイも可能です。
高校二年。
これからの事、自分の事を考えられない、決めることもできない。
アラタは、自分の複雑な境遇を利用し、学校をさぼっては、とある庭園に行ってそこでスケッチを繰り返していた。
スケッチをしている間だけは、何も考えずに済む…
そんな中、一人きりだった庭園の東屋に、物静かな女性が現れるようになる。
まるでただ必要だから呼吸をしているだけのような、何も言わずにそこにいるだけの女性。
言葉も交わさないままの、名も知らぬ同士の、日々の逢瀬が始まった。
両親は事故で死に、一人きりのアラタには、相談できる相手もなかったからこそ、余計に息詰まってしまったのかもしれませんね。
アラタは、小さな庭園に通い詰めます。
何度も何度も同じ風景をスケッチする中…、彼は、ここでペンを走らせている間だけは、そんなしがらみから解放されて自由でいられたのでした。
ですが、一人きりでスケッチする日々に、変化が訪れました。
ひとりの女性が、この庭園の東屋に現れたのです。
東屋でただ静かに、何も言わず、呼吸だけをして、池の水面を見つめる彼女。
アラタは、女性と同じ屋根の下にいるのも気が引けて、別の場所からスケッチをすることにしました。
珍しく女性がいない日。アラタは久しぶりに東屋の屋根の下で絵を描き始めます。
ところが、集中している間に女性は同じ屋根の下に来ていました。
うっかりペンケースをひっくり返したときに、転がった辺を彼女は拾ってくれ…
…それ以上のことは何もありませんでしたが、その後、アラタは彼女と同じ空間でも絵を描くことにします…。
ひたすら静かな湖面のようなお話でした。
ただ、時折、湖面に何かが落ちたり、湖に住む生き物が跳ねたりするようにして、水面が僅かに波立つような、そんな日々。
少しずつ縮まる距離と、またも離れてしまう瞬間と、とても丁寧に物語が描かれていました。
ただただ静かで、大きな見どころを上げろと言われても難しいゲームです。
逆に、大きなイベントの起きないゲームである、というのが、このゲームの見どころなのかもしれませんね。
心情の変化がとにかく奇麗に描かれた作品だったと思います。
*こちらはティラノゲームフェス2018参加作品です。
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