【 紅蒼の鎮魂歌 】
タイトルは、ルビーサファイアレクイエム、と発音します。ゲームを進めるとタイトルの意味が分かってつらい。
とある少女と青年の悲恋を描いたノベルゲーム。総プレイ時間は40分ほどです。
フルボイスの作品。
こちらから無料プレイ可能です(ノベルゲームコレクションへ飛びます)
スマホを含むブラウザのほか、Windows/MacintoshでDLプレイも可能です(ボイスがあるのでスマホですと少し重いかも)
生まれつき目が弱く、片方の目はもうすでに光を失い、もう片方の目も色がわからなくなっている少女・ルビー。
彼女は重い病気で、もう間もなく、死を迎えようとしていた…。
本当はあまり外に出てはいけない彼女だが、天気のよさにつられるように外にふらりと出てしまう。
そこに聞こえてくる、優しいフルートの音色。
ルビーはその音色の出所を探し……そこでフルートを演奏していたのは、美しい青年だった。
ゲームは一本道で、分岐などはありませんが、章仕立てになっており、短いお話をクリアするごとに、次の章に進めるようになっています。
1つの章は3〜5分程度、時折挟まる0章はさらに短いお話が収録されており、こちらは1つにつき1分程度で読み終わる…程度でしょうか。
ただし短いながらもストーリーはしっかりしており、クリア後、次のシナリオを見るのがとても楽しみな作りです。
UIもきれいですしね。
フルートの美しい演奏を、優しい、と感じるルビー。
その優しいという言葉に驚くような様子を見せた、青い色を持つ青年は、サファイアと名乗ります。
…いえ、青い色を青年が持っていたとして、ルビーには、その色は見えないのですが…。
森のきらめきも、青年の色も、空の色もわからないルビーには、世界がどんな色に見えているのでしょうか。
そしてそれに悲観しないルビーの心は、とても強いのでしょう。
親とお医者さんが、もうルビーの命はもう数日だと話しているのを、聞いてしまったルビー…
もっといろいろなことをしたかった、と言いながらも、でも彼女は、絶対に自分のその状況に悲観しません。
その残された時間をいかに過ごすか…、いつだって前向きな彼女は、やっぱり強い少女です。
そして、その時間を、サファイアと過ごすことに使う彼女は…、彼女の口から、恋や愛ということばは飛び出しませんでしたが、だけど彼に抱いていた感情は、きっと…
大切な人に渡すんだよ、と、亡くなったおばあちゃんに託されたイヤリングを、サファイアに渡すルビー。
このゲームには、二人の感情は明確に描かれません。
好きだ、なんてセリフは出てきません。
それ故に、言葉にできない二人のきずなを感じて、とてもやさしい気持ちになれるのだと思いました。
ボイスも合っていて、とても穏やかなゲームでした。
死というものを扱っているけれど、ルビーが悲観していないために、あまり暗い雰囲気にもならず、優しい空気のまま、完結します。
…またふたりが再開できる時まで、ルビーにはしばしの眠りを。
優しい時間が、ふたりにまた訪れますように。
*こちらはティラノゲームフェス2018参加作品です。
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