【 太陰と太陽の物語 】
平安の世で、獣の息子として産まれた少年…から始まる物語。
このブログではすっかりおなじみになった笹笠箕範さんの作品ですが、今回はシリアス一辺倒であり、おっぱいとかカリギュラとか出ません(カリギュラは出てきたわけじゃねーよ!!
一本道のノベルで、読了まで10分程度。
うす暗い闇の空気を雰囲気を感じさせる、BL…というよりは耽美なノベルです。
闇の空気、と書きましたが、ホラーではありません。
直接的なエロ表現はありませんが、男性同士が交わる描写があるため、苦手な方は注意が必要(R-15程度かと)
「お前の母親は狐だった」
真実は知らない。
だけど、そう呼ばれて育った主人公は、父親の死によって身寄りがなくなり、そして奴隷商人へと売り飛ばされた。
買い取られた彼が引き取られた先は、陰陽師・賀茂忠行の屋敷であった。
親に与えられた名を捨て、新たな名・テンピを授かり、賀茂の付き人としての新たな生活が始まる。
だが、主人公が陰陽師に必要な霊的なものを見る力が強かったことにより、先に賀茂の付き人として生活していたトマソには、目の敵にされてしまう。
賀茂は様々な女を抱く。
抱かれる女の嬌声を、戯れに、主人公たちに聞かせながら。
賀茂は主人公を抱く。
女の体を抱いた熱の残るその体のまま、女の香を体に身をまとわせたまま、主人公を組み伏せる。
賀茂の背後に広がる闇が怖い――
星のない暗闇のような作品。
セリフの出るシーンには、背景画などがないシーンも多く、まさに「闇」を感じさせました。
主人公の感情は、あまり表に出されません。
それゆえに、こちらに想像させるものがあります。
きっと常人には計り知れぬ、陰陽師の世界。
そこには闇がありました。
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*画像はすべて笹笠箕範「太陰と太陽の物語」より