【 ちょっと気になる販売機 】
自販機がヒロイン、問っても過言ではないw
制作はたのしいドンダニアンランドさん。
少年がちょっと頑張る話です。
選択肢のない一本道のノベル、読了まで10〜15分程度。
*効果音程度の表現ではありますが、軽い暴力表現があります。
主人公の少年は、不良に目を付けられ、暴力を振るわれる日々を送っていました。
両親は仕事で忙しく、親との会話もない。
温かい食事も作ってもらえることもなく、テーブルの上には食事代のお金が置かれているのみです。
これでは相談できる相手もいない。
勇気がなくて、教師に訴えることもできない…。
学校からの帰り道、町の喧騒すら煩わしく、それを避けるように、一本裏通りを入ると、自動販売機を見つけます。
飲み物を買いに来たお客さんに向けて、挨拶をするタイプの販売機。
ポイントカードを使うと、また来てくれたね、という言葉すらくれます。
プログラミングされた挨拶の言葉であろうと、会話する相手に飢えていた少年には、自動販売機で飲み物を買う日々が、少しずつ楽しみになっていきました。
大好きなメロンソーダを買ったり…。これは自動販売機とのファーストコンタクト。
喉が渇いている日はスポーツドリンク。これだって、お気に入りの販売機で買ったと思えば一段と美味しい。
だけど、少年は暴力に耐える日々、勉強にも身が入らずにいました。
親は、彼を塾に行かせることに…。
そして、塾の帰り道、喧嘩をしている大人たちを見つけた少年は…
少年が小さな勇気を振り絞り、そして変わるお話。
本当に終盤の盛り上がりから、少年の変化・成長が見て取れるラストはとても素晴らしいものでした。
自動販売機がヒロイン、といいましたが、自動販売機はプログラミングされたもの以上のことはしゃべりません。本当は自我を持っていて主人公のために美少女化したり…もしません。
自動販売機は、ちょっと気になる販売機、でしかなく、それ以上でもそれ以下でもありません。
それでも、少年が自動販売機を大切に思い、励まされてきたこと、そこに主人公は、友情とも愛情ともつかない、言葉では表せない感情を抱いていたのは間違いないでしょう。
プレイし終えたあと、さわやかな炭酸飲料のような、すっきりとした気持ちになれる一作でした。
メロンソーダ、久しぶりに飲みたくなったなあ。
*こちらはティラノゲームフェス2018参加作品です。
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*画像はすべてたのしいドンダニアンランド「ちょっと気になる販売機」より