【 百花の街をさまよう 】
実写と、くしゃりとした紙の質感の上で描かれたキャラクターの組み合わせが異質にして、それでいてその異質な感じが気持ちいい、そんな感じの一作。
ジャンルとしては選択肢のあるノベルゲームとなっています。
1プレイ10分、エンディングは4つあり、総プレイ時間は30〜45分程度かなと。
コンプリートのためのヒントもあるため、そこまで難易度は高くありません。
ある日気が付いたら、知らぬ場所を歩いていた主人公。
周囲は奇妙で、まるで季節なんて関係がないかのように、どんな花も咲き乱れている。
…でも…自分は誰だっけ…。ここはどうだろう。なにも思い出せない…
困ったまま、とりあえず近くを散策し、公園を歩いていると、奇妙な鉱石を頭に乗せたかのようなバケモノに出会います。
バケモノは友好的に、貴方の今夜の泊まる場所などを心配してくれる。
また、来ると約束をして、貴方はバケモノの場所を離れます。
まだ幼いバケモノもいます。まだ少女のようだけど…このバケモノは、主人公にとても物騒なお願いをしてきます。
あなたは…少女にどうこたえるのだろうか?
一方で、何者かの名前を呼びながら、貴方を追いかけてくるバケモノもいます。
その名前は自分の名前なのだろうか? だけど思い出せない。彼女?も知り合いなのかもしれない、だけどなにもわからない。
…バケモノってなんだろう…
そんなふうに考えさせられるゲームでありました。
主人公がこの町で異常な事態に巻き込まれる前に周囲にいた人間たちは、本当は、人間の皮をかぶったバケモノだったのではないだろうか?
じゃあ、バケモノの姿で、貴方に接してくる彼女たちは? 本当にバケモノ? いいえ、見た目がおかしいだけで、よほど人間に近いのではないのでしょうか?
バッドエンドにもなりやすいのですが、重要な選択肢ではヒントを出す機能もあるため、あまり苦労はせずハッピーエンドは見られる感じです。
少しずつ真実に近づいていき、主人公とともに、どういうことなのだ、と混乱する感情を味わえました。
とてもいいお話でした。
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*画像はすべて千住のり子「百花の街をさまよう」より