【 シャドウゲイト 】
日本では1989年に、ケムコよりファミコンソフトとして発売されました。
元は、1987年、アメリカのICOM Simulations社より発売された、コマンドやアイテムをマウスで選択していくようなタイプの、硬派なアドベンチャーゲームです。
それが日本語移植されたら、なぜか「こんな評価」の親しみやすいゲームに!?
現在ではバーチャルコンソールにて配信されており、3DSなどで遊ぶことができます。
バーチャルコンソール版の公式ページはこちら。
この、ケムコによる日本語ローカライズが独特であり、その独特な主人公のせりふから、日本では「バカゲー」という評価も受けておりますが、実は良質の探索AVGなんですよ!!
【シャドウゲイト】
発売:ケムコ
動作ハード:ファミリーコンピュータ
ジャンル:探索AVG
発売日:1989年3月31日
定価:6200円
ゾーニング:全年齢
*全年齢ですが、多少のグロテスク表現を含みます
タイタンの中でも最も凶悪な「ベエマス」の復活をもくろむ魔王ワーロック。
その野望を阻止せんがために、王家の血を引く「真の勇者」たる貴方は、森のはずれの城「シャドウゲート」へと挑む!
ストーリーは比較的シンプルなんですが、すでにツッコミどころがあるのにお気付きでしょうか。
魔王・ワーロック、お前…タイタンの力を借りないと世界征服できない小物かよw と。
私は初めてこのゲームを遊んだ時からずっとこの件についてツッコミ続けています。
魔王を名乗る資格がお前にあるのかよ…と。
それはさておき、主人公は、真の勇者たるロードジェイル(今回は作中で名前は出てこず、のちのシリーズ作品で名を貰った形になります)。
ただしこの真の勇者、オバケに怖がって足が止まってしまい先に進めなくなったりします。
ヘタレすぎる。
さらには、武器を自分の胸に突き立てたり、火の中に飛び込んだり、たいまつで自分の体を焼いたり、穴に落ちて骨折して動けなくなって死んだりと、ユニークで様々な死にざまを見せつけてくれます。
そしてその死にざまにより、凝った、それでいて笑わせてくるようなテキストが表示されるのです。
しかもだいたいそれが主人公視点で「なんで私はこんな愚かなことをしてしまったんだ!」とか「なぜ私にこんなことをさせるのだ!」と嘆いていたりするので、より面白かったりするんですよね。そういうひどいことさせたのはこっちなんだけどさw
このあたりの、主人公のオバカに見える感じが、このゲームを「ネタゲー」として扱わせるのだと思いますが、私は逆に、主人公が親しみやすい人物に思えるのですよね。
デストラップが多く、かなりの死にゲーなんですが、死んでもすぐコンテニューできるので安心。
とは言え、あんまりにもインスタントに死ぬので、そのあたりもネタにされやすいのは仕方ないかなと思います。死にゲー=シャドウゲイト、とイメージがついているのもまあ当然の結果だったのかな、というか。
ってか、本が置いてあったら、その場で読もうとせずに手に取ろうとしてもいいじゃん!(*手に取ろうとするとトラップにかかり死にます
ヒントが少ないためにやや難易度が高く、主人公もすぐに死んでしまうことから、よくクソゲー扱いされているんですが、きちんとゲームに向き合って取り組めば、きちんとクリアできる難易度です。
というか、こういった探索AVGとしては、すごく丁寧に作りこまれた一作という印象です。
作りとしては、現代でも流行している「脱出ゲーム」と同ジャンルとなるのでしょうが、現代の脱出ゲームでも、よく「こんなんわかるかあほぉ!」という暗号が必ずと言っていいほど盛り込まれているんですが、逆にこのゲームにはそれがなく、無駄に頭を巡らすことをせずとも、丁寧にゲーム内にあるものを調べれば、確実に自力で解けるようになっているんですよね。
ヒントが少くとも「ここはこうすればいいのかな?」という推測が立てやすいため、じっくり向き合えば理解しやすい部分も多いです。
ただしほんとデストラップ多いけど。ノーヒントで、3枚の鏡のうちどれか1個が正解、のこり2枚を割ると即死、とかあるからな!w

謎解きは正直面白く、例えば敵なんかが出てくるとめっちゃ焦るんですが、何度も死を繰り返しながらも、やっと倒したときなんかはかなり爽快感…、いわゆる「アハ体験」があるのは確かです。
魔法やアイテムも数が少なくはなく、それらを適切に使うなど、その場その場の選択肢が多いため、確かに何度か試行錯誤するシーンは多いのですが、それでもゲームを投げるほどの難易度じゃないと思う。だってミスしてもマジですぐにコンティニューできるんだぜ?
というか魔法の名前が「ときめきトゥナイトの魔法か!!」ってくらい、命名にやる気がないのはちょっと気になりましたww なんだよ「プーロ」ってww 「レナニヌイ!」くらいやる気がないよ!!(ちなみにレナニヌイは犬になれ!と相手を犬にする魔法です。
親の顔より見ることになる死神よ…
正直、このゲームをクソゲーと嗤う人は、たいてい「城に入る前にたいまつで自害できちゃう」などの部分をネタとしてプレイをして、真面目にクリアする気がなく投げてる…みたいなレビューが多い、というのは残念です。
というかたいまつで自害できるのってわざとやらない限りできないんですが、そこをクソゲーポイントにしているのは悪意あるよね。
というかそんな難易度高いかなあ?
攻略本必須とか言われるけど、私、ほぼ自力でクリアした(1個だけクリックポイントが小さめで気付かなかったところだけヒント見た)し、そこまで難しい印象はなかったんですが。
確かに死ぬよ。確かにすぐ死ぬけど。でも実際は死んでもちょっと巻き戻るだけで復活できるし、割と親切な作りだと思うんだけどなあ?
ただし、たいまつが尽きたらもうすべておしまいよ(チーン
本当に好きなゲームなので、世の中の評価に惑わされず遊んで欲しいと思いました。
決して、言われているほどに理不尽だったりしません。
きちんとゲームに向き合えば、きちんと解ける、応えてくれるゲームです。
あとこのテキストセンス見てよ…棺が半ダースってww
でも…うん、ゲーム内のネタがちょっと古かったりサムかったりするのは大目に見てww
古いゲームだし…ww なんせ30年前だぞ。
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*画像はすべてケムコ「シャドウゲイト」より